議第35号議案

 中国国籍者に対する数次ビザの撤回を求める意見書に賛成の立場から討論させていただきます。数次ビザは本年71日から、中国に滞在する中華人民共和国の国籍を有する人達が、最初に沖縄を訪れさえすれば3年間、我が国領土内を90日間であれば何度でも往来出来るものであります。

 意見書案にもあるように中国とは、昨年の尖閣沖漁船衝突事件でも明らかなように尖閣諸島をめぐり一定の緊張関係にあります。

 尖閣諸島は、1885年以降政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行ない、単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上、1895114日に閣議決定を行なって正式にわが国の領土に編入されてから、一環して我が国の領土であり全く疑う余地はありません。

しかしながら中国は尖閣諸島について、1969年に公刊された国連アジア極東経済委員会の報告書で、尖閣諸島周辺の海底に石油・天然ガスが 大量に存在する可能性が指摘されたことがきっかけで、突然我が国固有の領土である尖閣諸島に対して領有権を主張したのはご承知の通りであります。

つい先日も、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域(EEZ)内に入り、中国の領土として領有権を主張しており緊張関係は続いております。

また、最近は中国国内における反日デモの中でも、琉球すなわち沖縄は我が領土と中国内でも堂々と主張されるようになり、有識者の中には尖閣だけでなく沖縄そのものが将来的に危ないとも言われております。

このような状況下の中、意見書案にもあるように、有事の際には中国の「国防動員法」に基づき、外国においても国防の義務がある中国人観光客を無防備に大量に滞在させることは危険であり、大きな脅威となります。

また、スパイ防止法が整備されていない我が国において、ビザの偽造や別人の入れ替わり、スパイの流入など、我が国の危機を助長し、意図的に違法行為をしようとする者の活動がしやすい環境をつくる事は、犯罪の増加や情報流出など、国内の安全保障上、大変な問題が起こる事が懸念されております。

単に観光振興のためという理由で、中国に対してわざわざ沖縄に一度行けばという事で複数回日本に入国できるという短期滞在数次査証を認める制度は、沖縄そのものの安全をおびやかす事になりかねないと考えます。

目先の観光振興のつもりが、人海戦術によって国の一部を失う事になってしまっては取り返しがつきません。

よって中国国籍者に対する数次査証の撤回を早急に行うよう強く求める、本意見書に対して賛成し、討論とさせていただきます。