(平成15年12月)

     北朝鮮による日本人拉致被害者の早期救出を図り、

          日本国主権の強化を求める意見書

 昨年9月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)金正日国防委員長は日本人拉致の事実を認め、これを謝罪し、翌月に当該被害者5人の母国日本への帰国が実現しました。

 しかしながら、その家族は依然として北朝鮮内に拘束されたままであり、また日本からの失踪者照会に対し「死亡」あるいは「未入国」と回答を得た方々についても、その回答には納得のできる合理的な根拠・信憑性に欠くものがあり、その安否が心配されるところであります。更には特定失踪者の状況等から判断すると他にもまだ相当数の拉致被害者が潜在するのではないかと推測されます。

 ここに、北朝鮮の理不尽な国家謀略により、拉致被害者及びその家族が北朝鮮という母国日本とは生活基盤(言語・政治・文化・経済・自然環境等)の異なる国で、心身の自由を奪われ思想統制上の洗脳にみまわれながら、はからずも不本意な生活を余儀なくされている不幸は想像に余りあるものであって、かかる横暴な独裁国家による「人間の尊厳・人権と主権国家に対する侵害」は断じて許すことのできないテロ同等の重大犯罪であります。

 今まさに「人間の権利・自由・幸福」を踏みにじる拉致に対峙し、日本は法治国家の威信にかけて被害者の早期救出を図り、もって日本国民の生命と安全を守るための主権を強化することが緊要であります。

 よって、政府は主権国家の名において、毅然たる精神のもと、本事態の早期解決に向け下記事項を含む万全の対策を講じられますよう強く求めます。

1 北朝鮮に対し、拉致被害者(拉致認定者:子供等家族を含む)全員の即時解放、日本帰国を継続的に強く求め、その早期実現を図ること。

2 拉致の疑いが濃い失踪者の綿密・徹底的な再調査・再捜査を速やかに行い、真相を解明すること。

 日本は日朝平壌宣言で両国国交正常化後に北朝鮮への無償資金協力、低金利長期借款供与及び国際機構を通じた人道主義的支援等を約束し ているが、国交正常化の条件のうちに、拉致被害者全員の解放を含めること。

4 拉致問題について諸外国・国際機構の理解と協力を求め、正当な国際世論を醸成することを通じて北朝鮮に対する外交圧力を強化すること。

5 この拉致問題解決に向け日本が取り得る手段として、万景峰号他北朝鮮船舶の日本国入港阻止ができる新法制定、日本国内から北朝鮮国内への財貨流出を抑止できる外国為替法の改正等、制裁に有効な拉致 関連法令の整備・施行を図ること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成15年12月19日

                            埼玉県志木市議会  
提出先

 衆議院議長   河        殿

 参議院議長              殿

 内閣総理大臣   小    純一郎  殿

 外 臣          殿