〜雨水排水路における蚊の発生対策について〜
平成17年3月定例会
本定例会が3月17日に終わってから、次の定例会の予定であります7月までの間には、季節は一気に変わり、暖かい時期を迎えることとなります。そうなりますと、当然水辺の付近では蚊が発生することとなり、特に汚れた水のたまっている場所などには、多くの蚊が発生する季節となります。
私は宗岡地区に住んでいる関係上、雨水排水路関係の苦情を聞くことが多くありますが、この雨水排水路の付近で発生する蚊の対策についても、多くのご意見を聞くことがあり、財政状況などを全く考えなければ、それこそ雑草で蚊の発生の多い未整備排水路はすぐにすべて整備し、さらに整備済みの排水路にふたかけをしていけば、この問題もほとんど解決していくのでしょう。しかしながら現実は、厳しい財政状況の中、ふたかけどころか、今年度予算案を見ましても、雨水排水路整備は中宗岡のたったの1工区110メートルだけしか整備されず、整備率も57.5パーセントとここ数年伸び悩んでいる状況であります。
しかしながら、毎年悪臭や蚊に悩まされている排水路付近の住民からすれば、行政は一体何をやっているのかという思いがあり、その思いは痛いほど理解できますし、何かしらの対策をしていかなければならないと思うのであります。
以前は、雨水排水路の清掃の時期になれば、DDTという消毒液などを各町内会に配り、蚊の対策としても有効であったと伺っておりますが、昨今の環境への配慮ということで、現在はそういった蚊に効くような消毒液は町内会に配られておりません。ですから、近隣住民からいたしますと、以前に比べて蚊が増えたという印象を持ち、行政は策を講じかねていると思ってしまっているケースがありますので、市民ニーズにこたえるということからも、改めて知恵を出し合って考え、この蚊の発生対策をしていかなければならないと思うのであります。
どこが蚊の発生しやすい場所なのか、どこの場所に汚水がまざっていて、どこが特に水がが滞留しているのかしっかり把握し、当然のこととして定期的に排水路の清掃をしたりヘドロ処理をするであるとか、水を滞留させないための対策は具体的にはどのようにしたらよいのかを徹底的に考えていくべきであり、さらに、蚊が大量に発生したときの近隣住民と行政との連絡体制や協力体制を整備し、しっかりとしていかなければならないと思うのであります。
そして、消毒液が使えなくなった昨今、自然や人体に優しいもので、何かほかに対策がないのか調べて、有効であれば活用していくべきであるとも考えております。私は、ある反農薬を訴えるNPO団体から、「脱農薬 蚊対策のすすめ」という資料を購入させていただきましたが、その中ではモスキートマグネットという、人などの血を吸う雌の蚊だけを誘引駆除する装置について、EPAの登録許可を受けた製品であれば、使用法を守る限り人体への影響はないと報告しております。
そのモスキートマグネットなるものは、日本では株式会社ヤナセが2002年から輸入販売を始めており、殺虫剤を用いないので抵抗性の問題を解決し、人体と環境への安全性、効果の面から注目されている屋外用蚊取り器であります。プロパンガスを燃焼させて熱と二酸化炭素を発生させ、さらにオクテノールという誘引剤を用いて、吸血活動をする雌の蚊だけを引き寄せるという仕組みで、装置に吸い込まれた蚊は捕獲ネットの中で乾燥死するとのことでありまして、自然保育をモットーにしている幼稚園などで既に導入されているとのことでありました。
このようなこともぜひ研究、検討されて、殺虫剤や消毒液などを使わなくても、環境や人体に優しい形で雨水排水路付近での蚊に悩まされている近隣住民へのニーズにこたえていくべきだと考えますが、本市の対策の内容と今後の強化策について市長にお尋ねいたします。
▼市長 答弁
ご案内のとおり、下水道整備の目的の一つに、公衆衛生の向上に寄与することが挙げられております。具体的には、公共下水道汚水の整備と水洗化を促進し、家庭の台所や浄化槽等からの雑排水を排水路へ流出させないことにより、排水路を雨水専用とし、蚊やハエの発生を防ぐものであります。本市の公共下水道汚水の整備率は、平成16年度末において94.4パーセントになる見込みで、市街化区域内においては、西原土地区画整理区域を除いておおむね完了しております。
しかし、整備済みの排水路については、時間50ミリメートルの降雨時に流下可能な勾配で設計されているため、少量の雨水では有機物を含む土砂等が流れにくいことがあります。また、未整備水路については、雑草が生え滞留が起こりやすくなり、害虫が発生しやすくなると考えております。
今後におきましても、未整備水路につきましては、引き続き公共下水道の整備を推進するとともに、未接続世帯への普及活動を実施し、公共下水道汚水への接続を促進してまいりたいと考えております。
また、現在も市民の方々からの要望や市内パトロールにより、生活環境上好ましくない箇所と確認した場合には、順次しゅんせつ等を実施し、排水路の機能維持に努めておりますが、引き続き排水路の土砂等の堆積や雑草の状況に応じて、適宜しゅんせつや草刈り等を実施しますので、ご理解を賜りたいと存じます。
なお、ご質問の衛生配剤の配布につきましては、伝染病予防法に基づいて平成13年度まで町内会や市民に無料配布を実施しておりましたが、法律が廃止され、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律にかわり、薬剤が環境ホルモン物質としての疑いがあるため、平成14年度以降配布しておりません。そして、平成15年12月1日には環境省自然環境局からの通知により、住宅地等における農薬使用について、公共施設や住宅地に近接する場所における病害虫の防除については、極力薬剤頒布以外の方法をとるべきであるとの見解が出されております。
ご提案のように、環境に影響を与えない害虫駆除剤があるとのことでありますので、導入を検討すべきであるというふうに考えております。今後、朝霞保健所と早急に協議し、導入に向けて検討してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
●鈴木正人要望
雨水排水路の件に関して、前向きなご答弁をいただきましてありがとうございました。
たまたまモスキートマグネットというものを、農薬にかわるといいますか、また別の方法ということになるんでしょうけれども、こうしたものもNPO団体から示されておりますので、その有効性や、また他にも方法があるのかという部分も含めて十分検討して、近隣住民の要望にこたえていただきたいと要望いたします。