朝鮮高級学校への授業料無償化適用審査再開の撤回を求める意見書(案)
刷新の会
朝鮮高級学校への高校授業料の実質無償化については、去年11月、北朝鮮が韓国の延坪(ヨンピョン)島に砲撃を行ったことから審査の手続きを停止していた。
菅前内閣は、退陣間際に「各国との間で対話の動きが生まれ、朝鮮半島を巡る国際情勢が砲撃事件以前の状況に戻りつつある」ことなどを理由に、当時の高木文部科学大臣に指示し、朝鮮学校の審査の手続きを再開した。
この件に関して、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会は声明で、「退任間際の菅首相が明確な理由を示さず拉致問題に悪影響を及ぼしかねない決定をしたことに強い失望を覚える」とした上で、野田佳彦民主党新代表に「経緯を精査し、拉致問題解決のためにふさわしい対応を取っていただきたい。文科省は新首相が新しい指示を下すまで手続き凍結を維持してほしい」としている。
菅前総理は「北朝鮮と各国との間で対話の動きが出始めている」といっていたが、北朝鮮は核を放棄したわけでもなく、先軍政治を止めたわけでもない。
北朝鮮は天安(チョンアン)艦爆破をいまだ認めておらず、また延坪(ヨンピョン)島砲撃に対しても謝罪をしていない。何よりも、日本人拉致事件について、いまだ誠意ある回答すら行っていないのが現状である。
このような北朝鮮の姿勢について、対話姿勢を見せテロを停止したと見るのは明らかに誤りであり、無償化手続きが行われようとしている朝鮮学校の歴史教科書は、このような北朝鮮の政権を支持するばかりか、金日成、金正日の世襲独裁政権を礼賛しているのである。
よってこの無償化手続き再開は、北朝鮮の人権問題や拉致問題、何よりも現在の朝鮮学校の教育内容を無視したものとして強く反対し、政府に撤回を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年10月
埼玉県議会
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
内閣官房長官 藤村 修 様
文部科学大臣 中川
正春 様
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